新宿区の民泊規制はどう変わる?2027年改正案の内容と既存施設の対応

新宿区の民泊規制はどう変わる?2027年改正案の内容と既存施設の対応

新宿区は2026年9月8日、住宅宿泊事業(民泊)の条例を改正する方針を公表しました。住居系用途地域では新設を原則禁止し、商業系用途地域でも営業日数を年間120日までとする内容です。

施行は2027年6月の予定で、すでに営業している民泊にも2年間の経過措置を経て適用されます。

現時点では区の方針の段階で、対象区域の細部や例外の要件は、2026年10月のパブリックコメントとその後の条例案で固まります。

まず物件の用途地域を確認し、経過措置の期間内に「続ける・移す・売る」のどれを選ぶかを決めましょう。

※制度に関する記載は2026年9月22日時点の情報です。条例案の内容によって取り扱いが変わるため、判断の前に新宿区の最新情報をご確認ください。

【この記事のポイント】

  • 新宿区は、住居系用途地域での民泊の新設を原則禁止し、商業系用途地域の営業日数を年間120日とする方針を示している
  • 施行は2027年6月の予定で、既存の民泊にも2年間の経過措置の後に適用される
  • 家主同居・居住型は、住居系用途地域でも春・夏・冬休み期間の年間120日に限って営業できる特例が示されている
  • 旅館業でも小規模施設の新設禁止やフロント設置の義務化が示されており、旅館業への転換は容易ではない
  • 規制の対象かどうかは用途地域で決まり、区の「新宿区みんなのGIS」で確認できる
  • 営業を続けられない場合の選択肢は、旅館業への転換、商業系用途地域への移転、売却・事業譲渡の3つ
目次
  1. 新宿区は2027年6月から民泊規制を強化する予定
    1. 規制強化の背景は苦情の増加と全国最多の届出件数
    2. 現行の新宿区ルールは4つ
    3. 住宅宿泊事業の改正方針で示された4つの見直し
    4. 旅館業でも新設の制限が示された
    5. 決まっていることとまだ決まっていないこと
  2. 既存の民泊も2年の経過措置後に規制対象になる見込み
    1. 経過措置の2年間は対応を決める準備期間
    2. 家主同居・居住型は春・夏・冬休みに限り営業できる
    3. 商業系用途地域でも営業日数は3分の1減る
  3. 民泊が規制の対象かどうかは用途地域で判定する
    1. 新宿区みんなのGISで用途地域を調べる
    2. 用途地域ごとに続けられるかを自己判定する
    3. 境界付近の物件や文教地区は区に確認する
  4. 民泊を続けられない場合の3つの選択肢
    1. 旅館業(簡易宿所)へ転換する
    2. 商業系用途地域の物件へ移す
    3. 売却・事業譲渡で出口をとる
  5. 民泊を続けるか売るかは手元に残る利益で比べる
    1. 規制後の月間営業利益を試算する
    2. 売却価格は営業実績が残っているうちに確認する
  6. 民泊規制の施行までのスケジュールと動くタイミング
    1. パブリックコメントで確認する3つのポイント
    2. 施行日と経過措置の終わりから逆算する
  7. 新宿区の民泊規制でよくある質問
    1. 新宿区の民泊規制はもう決まったのですか
    2. 家主が同居すれば住居系用途地域でも続けられますか
    3. 経過措置の期間中でも民泊として売却できますか
    4. 新宿区以外の区でも民泊規制は強まっていますか
    5. 今から新宿区で民泊物件を買っても大丈夫ですか

新宿区は2027年6月から民泊規制を強化する予定

新宿区では現在も、住居専用地域での平日営業を禁止するなど、独自のルールを設けています。

2026年9月に示された改正方針は、曜日で区切る制限から、地域そのものの営業可否を決める規制へと踏み込む内容です。

新たに始める民泊は施行時から、すでに営業している民泊は2年間の経過措置の後に、新しいルールが適用される予定です。

現行ルールと改正方針の違いを整理しました。

項目現行ルール改正方針(2026年9月公表)
住居専用地域月曜日正午から金曜日正午までは営業できない(週末のみ営業可)住居系用途地域として新設を原則禁止
第一種・第二種住居地域などの住居系用途地域曜日の制限なく年間180日まで住居系用途地域として新設を原則禁止
商業系用途地域曜日の制限なく年間180日まで年間120日まで
家主同居・居住型用途地域ごとのルールに従う住居系用途地域でも、春・夏・冬休み期間の年間120日に限り営業可
既存の施設現行ルールで営業施行後2年間の経過措置の後に適用
近隣住民・宿泊者への対応届出の7日前までに近隣住民へ書面で周知周辺住民を対象とした説明会と、対面でのチェックインを義務化

規制強化の背景は苦情の増加と全国最多の届出件数

新宿区の届出住宅は、2026年1月15日時点で3,620件と全国の自治体で最も多くなっています。区長は9月8日の質疑応答で、8月の段階では3,900件を超えたと説明しました。

3,620件という数字は、新宿区の「定例記者会見(令和8年第1回区議会定例会)区長説明要旨」で示されたものです。全国の届出状況は、観光庁の「住宅宿泊事業法の施行状況」で確認できます。

一方で、区に寄せられる苦情も増えています。2025年度は、届出住宅に関する苦情が924件、無届の民泊に関する苦情が410件で、合計1,300件を超えました。

区長は、住民との対話集会で寄せられる意見の3分の1程度が民泊に関する苦情だとしています。内容はごみの不適正な排出や夜間の騒音が中心です。

苦情件数の推移は、新宿区の「届出状況及び苦情処理について」で公表されています。

現行の新宿区ルールは4つ

新宿区は「新宿区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」で、住宅宿泊事業法に次のルールを上乗せしています。

  • 住居専用地域では、月曜日の正午から金曜日の正午まで営業できない
  • 届出の7日前までに、近隣住民へ書面で周知し、区に報告する
  • 届出住宅の所在地や連絡先、周知を実施した日などが区のホームページで公表される
  • 宿泊者が出すごみは、住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者の責任で処理する

住居専用地域以外では、住宅宿泊事業法の規定どおり、曜日を問わず年間180日まで営業可能です。

180日は暦年ではなく、毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの1年間で数えます。数え方の詳細は「民泊の180日ルールとは?数え方や超えた場合はバレるのかも解説」で解説しています。

現行ルールの内容は、新宿区の「住宅宿泊事業と新宿区のルールについて」で確認してください。

住宅宿泊事業の改正方針で示された4つの見直し

2026年9月8日の区長定例記者会見で、「住宅宿泊事業に関するルールの見直し(案)」が示されました。見直しの内容は、次の4点です。

  • 住居系用途地域での新設を原則禁止する
  • 商業系用途地域の営業日数を年間120日までとする
  • 対面でのチェックインを義務化する
  • 周辺住民を対象とした説明会の実施を義務化する

このうち住居系・商業系の営業制限は、施行から2年間の経過措置の後、既存施設にも適用されます。

対面でのチェックインと説明会の義務については、区の配布資料に既存施設への適用時期が示されていません。質疑応答では、新たに届出をする事業者から新基準を適用するとの説明がありました。既存施設の扱いは条例案で確認しましょう。

会見の内容は、新宿区の「定例記者会見(令和8年第3回区議会定例会)区長説明要旨」で公表されています。配布資料は「令和8年第3回区議会定例会記者会見資料」の参考資料6です。

旅館業でも新設の制限が示された

同じ記者会見で、旅館業に関するルールの見直し案もあわせて示されました。義務付けが予定されているのは、次の4点です。

  • 小規模な施設の新設を禁止する
  • フロントを設置し、従業員を常駐させる
  • 対面でチェックインを行う
  • 周辺住民に説明を行う

質疑応答では、新設が禁止される小規模施設の基準について、おおむね200㎡程度を想定しているとの説明がありました。

住宅宿泊事業から旅館業へ切り替えて営業を続ける選択肢にも、今回の条例改正は影響します。旅館業へ転換する場合の要件は、後半の「民泊を続けられない場合の3つの選択肢」で解説します。

決まっていることとまだ決まっていないこと

2026年9月時点で公表されているのは区の方針であり、条例はまだ改正されていません。

区は2026年10月にパブリックコメントを実施し、2027年2月に区議会へ条例案を提出、2027年6月の施行を予定しています。

まだ確定していない点は、次のとおりです。

  • 住居系・商業系に含まれる用途地域の具体的な範囲
  • 準工業地域や文教地区の具体的な扱い
  • 家主同居・居住型の特例を受けるための要件
  • 旅館業で新設が禁止される「小規模な施設」の基準
  • 経過措置の期間中に行う事業譲渡や届出内容の変更の扱い

区長は質疑応答で、パブリックコメント前の基本的な考え方として、住居専用地域、住居地域、準工業地域、文教地区を挙げています。一方、配布資料の表記は「住居系用途地域」「商業系用途地域」です。最終的な範囲は条例案で確認しましょう。

質疑応答の内容は、新宿区の「定例記者会見(令和8年第3回区議会定例会)質疑応答」で公表されています。

自分の物件が規制の対象になりそうで、続けるか手放すかを迷っている場合は、早めに相談しましょう。

既存の民泊も2年の経過措置後に規制対象になる見込み

条例が改正されるまでは、現行のルールがそのまま有効です。改正方針では、これから始める民泊だけでなく、すでに届出を済ませて営業している民泊にも適用する予定です。

施行から2年間は現行のルールで営業できる見込みですが、その後は住居系用途地域では原則として営業できなくなる見通しです。

質疑応答によると、2025年度末時点で住居系用途地域にある届出住宅は約2,100件から2,200件で、全体の半数ほどにあたります。

経過措置の2年間は対応を決める準備期間

施行が2027年6月の予定であるため、既存施設への適用は2029年6月ごろになる見込みです。

区長は、これまで事業を営んできた人には一定の保護が必要だと述べています。経過措置は、事業転換や別の場所での営業継続を準備するための期間です。

経過措置の具体的な終了日や、期間中の届出内容の変更がどう扱われるかは、条例案で定まるでしょう。

家主同居・居住型は春・夏・冬休みに限り営業できる

住居系用途地域でも、家主が同居・居住する形態であれば、特例として年間120日、春・夏・冬休みの期間に限って営業できる方針です。

営業できる期間が長期休暇に限られるため、平日を含めて通年で稼働させることはできなくなります。

区の見直し案で示されている特例は家主同居・居住型を対象としているため、管理業者に運営を委託している家主不在型の物件は、対象外となる見込みです。

区長は質疑応答で、一定期間の居住実態があるかどうかなど、特例には条件を付ける考えを示しました。要件は条例案で示される予定のため、区の保健所衛生課に確認しましょう。

商業系用途地域でも営業日数は3分の1減る

商業系用途地域では営業は禁止されませんが、年間の上限が180日から120日に下がります。単純計算で、販売できる宿泊日数が3分の1減ります。

採算が合うかは、後半の試算で規制後の営業利益を確認して判断しましょう。

報道では、商業地域も春・夏・冬休みの期間に限るとするものがあります。ただし区の公表資料には期間の記載がないため、条例案で確認が必要です。

民泊が規制の対象かどうかは用途地域で判定する

規制の対象になるかどうかは、物件がどの用途地域にあるかで決まります。

新宿区は用途地域をインターネットで公開しているため、住所がわかれば自分で確認できます。

新宿区みんなのGISで用途地域を調べる

用途地域は、次の手順で調べられます。

  • 新宿区のホームページから「新宿区みんなのGIS」を開く
  • テーマ「都市計画情報」を選ぶ
  • 「地域地区等」にチェックを入れる
  • 物件の住所を入力し、地図上で位置を確かめる
  • 表示された用途地域と、文教地区などの地域地区を記録する

住居表示が変更された直後の地域では、旧住所で検索しなければならない場合もあるでしょう。

PDF形式の用途地域等都市計画図でも確認でき、不明点は区の都市計画課に問い合わせられます。

閲覧方法は、新宿区の「都市計画図(用途地域等、都市施設等)の閲覧(GIS形式)」で案内されています。

用途地域ごとに続けられるかを自己判定する

用途地域は全国で13種類ありますが、新宿区に指定があるのは次の8種類です。区分ごとの現行ルールと、改正方針の施行後の扱いを整理しました。

新宿区の用途地域区分現行ルール改正方針の施行後(経過措置の後)
第一種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域住居系(住居専用地域)週末のみ営業可原則として営業できなくなる見込み(家主同居・居住型は特例あり)
第一種・第二種住居地域住居系年間180日まで原則として営業できなくなる見込み(家主同居・居住型は特例あり)
近隣商業地域、商業地域商業系年間180日まで年間120日まで
準工業地域工業系年間180日まで区長は質疑応答で規制対象に挙げている(条例案で確認)

※用途地域ごとの最終的な適用範囲は、条例案で確認が必要です。

第二種低層住居専用地域や準住居地域は、新宿区には指定がありません。

注意したいのは、第一種・第二種住居地域の物件です。現行では平日の制限がありませんが、改正後は新設禁止の区域に含まれる見込みです。

境界付近の物件や文教地区は区に確認する

敷地が用途地域の境界にまたがる場合や、都市計画道路の計画線が境界になっている場合は、画面上の表示だけで判断しないでください。

文教地区も「新宿区みんなのGIS」で確認できますが、民泊規制上の扱いは条例案で示されます。都市計画課と保健所衛生課の両方に確認しましょう。

住宅宿泊事業の手続きの窓口は、新宿区保健所衛生課環境衛生係です。

民泊を続けられない場合の3つの選択肢

住居系用途地域にある民泊が規制後に取れる選択肢は、旅館業への転換、商業系用途地域の物件への移転、売却・事業譲渡の3つです。

要件の厳しさと準備にかかる時間が大きく異なるため、物件の条件に合うものから検討します。

3つの選択肢を比べると、次のようになります。

選択肢主な要件難易度準備にかかる時間
旅館業(簡易宿所)への転換旅館業を営める用途地域にあること、用途変更と構造設備基準への適合、新宿区の新ルール(フロント設置・従業員の常駐など)への対応高い工事と許可申請を伴うため長くなりやすい
商業系用途地域の物件への移転物件の取得または賃借、新たな届出、年間120日での採算中程度物件探しと届出の期間が必要
売却・事業譲渡買い手の確保、引き継げる設備・契約・実績の整理物件による買い手探しと契約の期間が必要

国家戦略特区の特区民泊は、東京都内では大田区でのみ実施されており、新宿区の物件では選択肢になりません。特区民泊の仕組みは「特区民泊とは?デメリットや民泊(住宅宿泊事業)との違いも解説」で解説しています。

実施区域は、内閣府の「国家戦略特区 滞在施設の旅館業法の適用除外(特区民泊)」で確認できます。

旅館業(簡易宿所)へ転換する

旅館業は年間の営業日数に上限がありません。一方で、建築基準法上はホテル・旅館として扱われるため、住居専用地域では営業できません。

そのため、住居専用地域にある物件は、旅館業への転換を選べません。

第一種・第二種住居地域などで旅館業を検討する場合も、用途変更と旅館業法施行令の構造設備基準、消防設備への対応が必要です。

国は2026年5月28日、200㎡以下の用途変更についても、旅館業の許可時に建築士による適合証明書を求めるよう自治体へ通知しました。運用の開始時期は、申請先の自治体で確認しましょう。通知の内容は、岡山市の「旅館業を始めたい方へ」に掲載されています。

また新宿区は、住民の動線と宿泊施設の動線を分けることを独自に求めてきました。区長は質疑応答で、マンションの一室だけを旅館にする物件は区内には理論上存在せず、相談はあるが断っていると説明しています。

さらに見直し案では、小規模な施設の新設禁止やフロントの設置・従業員の常駐が示されています。マンションの一室で旅館業へ転換する方法は、新宿区では現実的ではありません。

住宅宿泊事業と旅館業の違いは、「旅館業法と民泊新法の違いとは?初心者が理解できるレベルで解説」で解説しています。

商業系用途地域の物件へ移す

新宿区内の商業系用途地域であれば、改正後も年間120日まで営業できる見込みです。

新しい物件では新規の届出になり、施行後は説明会の実施や対面でのチェックインにも対応する必要があるでしょう。

移転する前に、年間120日で採算が合うかを試算してください。家具家電や運営のノウハウは移せる一方、物件の取得費や賃料が新たにかかります。

新宿区外へ移す場合も、区ごとに上乗せ条例の内容が異なります。物件探しの前に、所在地の区のルールを確認しましょう。

売却・事業譲渡で出口をとる

出口の取り方には、民泊を事業ごと売却する方法と、民泊をやめて不動産として売却する方法があります。

事業として売却する場合は、家具家電や運営マニュアル、運営実績を引き継げる可能性があります。予約サイトのアカウントや評価を引き継げるかは、各プラットフォームの規約によって異なります。

一方で、住宅宿泊事業法には事業者の地位をそのまま引き継ぐ制度がありません。事業者が代わる場合は、売り手が廃業の届出を行い、買い手が新たに届出をする必要があります。

売り手は、事業を廃止した日から30日以内に廃業の届出を行わなければなりません(住宅宿泊事業法第3条第6項)。手続きは、観光庁の「民泊制度ポータルサイト」で案内されています。

改正後の住居系用途地域では新たな届出が原則として認められない見込みのため、民泊として引き継げる買い手を探せる期間は限られる可能性があります。経過措置の期間中に事業者が代わる場合の扱いは、条例案の規定で確認しましょう。

法人で運営している場合は、株式譲渡によって事業者を変えずに引き継ぐ方法もあります。ただし、この方法でも経過措置の後に規制が適用されること自体は変わりません。

事業ごと売却する場合に引き継げるものと引き継げないものは、「民泊M&Aとは?引き継げるもの・引き継げないもの、価格の決まり方を解説」で解説しています。

民泊を続けるか売るかは手元に残る利益で比べる

どの選択肢を選ぶかは、売上ではなく、経費を差し引いて手元に残る営業利益で比べます。

規制後の営業日数で試算し、賃貸住宅に戻した場合や売却した場合と並べて判断しましょう。

規制後の月間営業利益を試算する

月間の営業利益は、次の式で計算します。

  • 月間売上=平均宿泊単価×販売した宿泊日数
  • 月間営業利益=月間売上-運営経費

区分マンション1戸を例に、現在の営業、商業系用途地域の物件で年間120日、賃貸住宅に戻す場合の3パターンを試算すると、次のようになります。

想定前提条件月間売上月間経費月間営業利益
現在の営業(住居専用地域で週末のみ)平均宿泊単価1万7,000円×月13泊22万1,000円12万円10万1,000円
商業系用途地域で年間120日平均宿泊単価1万7,000円×月10泊17万円10万円7万円
賃貸住宅に戻す家賃8万円、管理費等1万5,000円8万円1万5,000円6万5,000円

※説明用の試算です。宿泊単価や賃料はエリアや物件によって大きく異なります。実際の売上・経費を保証するものではありません。

税金、突発的な修繕、設備の交換、ローンの返済は、この計算に含まれていません。

運営代行を使い続けるかどうかも、委託料の料率ではなく、委託した後に手元へ残る金額で判断しましょう。

売却価格は営業実績が残っているうちに確認する

事業としての売却価格は、営業実績や引き継げる資産によって決まります。

規制の施行が近づくにつれて、住居系用途地域の物件を民泊として引き継ぐ買い手は限られていく可能性があります。

経過措置の期間があっても、民泊として売却しやすいのは施行前後の限られた時期になるかもしれません。早めに査定を受けて、続けた場合の営業利益と比べておきましょう。

不動産として売却する場合は、ローン残債と売却価格の関係も確認が必要です。売却した場合にいくらになるかを知りたい場合は、早めに相談しましょう。

新宿区の民泊の売却について相談する

民泊規制の施行までのスケジュールと動くタイミング

条例改正は、2026年10月のパブリックコメントから始まり、2027年6月の施行、2029年6月ごろの既存施設への適用へと進む予定です。

時期ごとに確認すべきことと、オーナーが取る行動を整理すると、次のようになります。

時期区の動きオーナーが取る行動
2026年10月パブリックコメントの実施対象区域と例外の要件を確認し、必要に応じて意見を提出する
2027年2月区議会へ条例案を提出経過措置の規定を確認し、選ぶ選択肢を絞り込む
2027年6月(予定)改正条例の施行、新設の制限が始まる転換・移転・売却の手続きを進める
2029年6月ごろ経過措置が終わり、既存施設にも適用規制の対象となる物件では営業を終える

日程は区が示した予定であり、区議会での審議によって変わる可能性があります。

パブリックコメントで確認する3つのポイント

意見募集の資料で確認したい点は、次の3つです。

  • 住居系・商業系に含まれる用途地域と、文教地区などの扱い
  • 家主同居・居住型の特例を受けるための要件
  • 経過措置の期間と、期間中の事業譲渡や届出内容の変更の扱い

パブリックコメントは区のホームページで告知され、区民だけでなく区内で事業を営む人も意見を出せます。自分の物件に関わる点に絞って確認しましょう。

施行日と経過措置の終わりから逆算する

選択肢によって、逆算の起点が異なります。旅館業への転換は工事と許可申請に時間がかかるため、最も早く動く必要があります。売却は、買い手が民泊として引き継げるうちに進めなければなりません。

商業系用途地域への移転は、物件探しに時間がかかります。

2027年2月に条例案が提出された段階で選ぶ選択肢を決めておくと、施行後の手続きに間に合わせやすくなるでしょう。

新宿区の民泊規制でよくある質問

新宿区の民泊規制について、よく寄せられる質問に回答しました。

新宿区の民泊規制はもう決まったのですか

新宿区の民泊規制の強化は、2026年9月時点では区の方針の段階であり、条例はまだ改正されていません。

2026年10月のパブリックコメントと、2027年2月の区議会での審議を経て決まります。施行は2027年6月の予定です。

家主が同居すれば住居系用途地域でも続けられますか

家主同居・居住型であれば、住居系用途地域でも特例として営業できる方針が示されています。

ただし営業できるのは、春・夏・冬休みの期間の年間120日に限られます。特例を受ける要件は条例案で示される予定です。

経過措置の期間中でも民泊として売却できますか

経過措置の期間中でも、売却そのものはできます。

ただし事業者が代わると、売り手の廃業の届出と買い手の新たな届出が必要です。住居系用途地域で新たな届出が認められるかは、条例案で確認する必要があります。

新宿区以外の区でも民泊規制は強まっていますか

新宿区以外の区でも、民泊規制を強める動きがあります。

2026年5月には、特別区長会の有志の区長21人が連名で、観光庁に要望書を提出しました。内容は、新宿区の「特別区長会の有志の区長が連名で、観光庁に「住宅宿泊事業の適正化に関する要望書」を提出」で公表されています。

区ごとに上乗せ条例の内容が異なるため、物件の所在地の区のホームページで確認してください。

今から新宿区で民泊物件を買っても大丈夫ですか

今から新宿区で民泊物件を買う場合は、用途地域の確認が欠かせません。住居系用途地域では新設が原則禁止、商業系用途地域では年間120日までとする方針で、施行後の新規届出から適用される予定です。

区長は質疑応答で、事業者への支援策は現時点では検討していないと明言しています。購入前に、物件の用途地域と条例案の内容を確認しましょう。

まとめ

規制への対応で確認したいポイントは、次のとおりです。

確認する順番内容確認先
1物件の用途地域と文教地区新宿区みんなのGIS、都市計画課
2家主同居・居住型の特例の対象になるか新宿区保健所衛生課
3条例案の対象区域と経過措置区のホームページ(パブリックコメント)
4旅館業へ転換できるか建築士、保健所、消防署
5規制後の営業利益と、賃貸・売却との比較運営代行会社、売却の相談先

新宿区は、住居系用途地域での民泊の新設を原則禁止し、商業系用途地域の営業日数を年間120日とする方針を示しています。既存の民泊にも、2年間の経過措置の後に適用される予定です。

まず用途地域で自分の物件が対象かを確かめ、転換・移転・売却のどれを選ぶかを手元に残る利益で比べて決めましょう。

民泊&では、規制によって営業を続けられなくなる民泊について、事業としての売却をご相談いただけます。経過措置の期間内に出口を決めたい方も、お気軽にご利用ください。