民泊の申請代行の費用はいくら?行政書士に依頼するメリットや注意点

民泊の申請代行の費用はいくら?行政書士に依頼するメリットや注意点

民泊を始めるには行政への「申請」が必要ですが、手続きは複雑で専門知識も求められます。

そのため、多くのオーナーは行政書士に代行を依頼しています。

この記事では、行政書士に依頼した場合の費用相場、依頼するメリット、そして注意すべきポイントを、わかりやすく説明します。

目次
  1. 民泊申請は行政書士に代行依頼できる
    1. 行政書士が対応できる民泊の種類は3つ
  2. 【結論】民泊申請代行の費用相場は20万円〜40万円が目安
    1. 民泊新法(住宅宿泊事業)の代行費用:20万円前後
    2. 特区民泊の代行費用:25〜35万円
    3. 旅館業法(簡易宿所)の代行費用:30〜40万円
    4. 別途発生する費用(申請手数料・交通費・図面作成費など)
    5. 費用に差が出る要因(エリア・物件構造・追加対応)
  3. 行政書士に依頼できる主な申請書類一覧
    1. 民泊新法に必要な書類と代行可否
    2. 特区民泊に必要な書類と代行可否
    3. 旅館業法に必要な書類と代行可否
    4. 依頼者側で準備が必要な書類とは?
  4. 申請代行の流れは6ステップで完了する
    1. ① 事前調査(立地・建築・消防要件の確認)
    2. ② 書類作成・消防署との調整
    3. ③ 周辺住民への説明・対応
    4. ④ 書類提出(保健所・自治体)
    5. ⑤ 行政の審査(特区・旅館業は厳格)
    6. ⑥ 許可取得・営業開始へ
  5. 行政書士に依頼するメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
    3. 自力での申請は現実的?失敗しやすいポイント
  6. 行政書士を選ぶときのチェックポイント
    1. 実績・地域対応の有無
    2. 料金体系が明確か
    3. 図面や消防対応までサポート可能か
    4. 無料相談や見積もり比較を活用しよう

民泊申請は行政書士に代行依頼できる

民泊の申請は、行政書士に代行依頼することが可能です。

書類作成や役所とのやりとり、法令の確認まで対応してくれるため、初めての方でも安心して進められます。

民泊の形態ごとに異なる手続きが必要ですが、行政書士はそれぞれに精通しているので、最適な申請方法を提案してもらえる点も大きなメリットです。

行政書士が対応できる民泊の種類は3つ

行政書士が対応可能な民泊は、大きく分けて以下の3種類です。

  • 民泊新法(住宅宿泊事業法):年間180日までの営業が可能。比較的手続きが簡単。
  • 特区民泊(国家戦略特区法):一部地域で認められた制度。自治体ごとにルールが異なる。
  • 旅館業法(簡易宿所):年間通して営業可能。許可制で要件が厳しめ。

いずれも行政書士が書類作成・申請代行を行えるため、物件の条件に応じた最適な方法で進められます。

【結論】民泊申請代行の費用相場は20万円〜40万円が目安

【結論】民泊申請代行の費用相場は20万円〜40万円が目安

民泊の申請を行政書士に依頼すると、費用の相場はおおよそ20万〜40万円です。

ただし、利用する制度や物件の条件によって金額は変わります。

たとえば、民泊新法なら比較的安く済みますが、特区民泊や旅館業法の場合は、提出書類が多く対応範囲も広いため、費用が高くなることが多いです。

さらに、申請手数料などの実費や追加作業費がかかる場合もあるので、依頼前に見積もりを確認しておくことが大切です。

民泊新法(住宅宿泊事業)の代行費用:20万円前後

民泊新法に基づく申請代行費用は約20万円前後が目安です。

この制度は年間180日までの営業を前提とし、比較的手続きがシンプルなため、他の制度より費用が抑えられる傾向にあります。

費用には、届出書の作成、必要な図面、誓約書の整備などが含まれます。

対応エリアや物件の状況によっては、若干の追加料金が発生することもあります。

特区民泊の代行費用:25〜35万円

特区民泊の代行費用は25万〜35万円が相場です。

特区ごとに異なるルールや、住民説明義務などがあるため、書類作成や対応が煩雑になり、その分費用が上がります。

認定申請書や図面、宿泊約款、苦情対応マニュアルの作成も必要です。

手間がかかる制度ですが、連続した営業が可能な点で魅力的です。

旅館業法(簡易宿所)の代行費用:30〜40万円

旅館業法による簡易宿所の営業許可取得には30万〜40万円の代行費用がかかるのが一般的です。

この制度は営業日数に制限がなく、旅館・ホテルと同等の基準を満たす必要があるため、行政書士の業務範囲も広くなります。

図面の精度や消防要件の確認なども必要で、時間とコストがかかる分、信頼性の高い運営が可能です。

別途発生する費用(申請手数料・交通費・図面作成費など)

行政書士への代行費用とは別に、次のような実費がかかることがあります。

項目目安金額備考
自治体の申請手数料15,000〜30,000円地域によって異なる
図面作成費5,000〜30,000円行政書士が対応できない場合は建築士が必要
交通費・出張費実費精算現地調査や住民説明の同行時など

これらは見積もりに含まれていないケースも多いため、契約前に確認が必要です。

費用に差が出る要因(エリア・物件構造・追加対応)

申請代行費用には幅があり、その差の主な要因は以下の3点です。

  • エリアの違い:大都市圏では要件が厳しく、対応工数が多くなる。
  • 物件の構造:築年数が古い、複雑な間取りの建物は図面作成が大変。
  • 追加対応:住民説明のサポートや現地立ち会いなどがある場合は別途費用。

このように、申請にかかる手間や物件条件によって費用は大きく変動するため、事前調査と見積もりの比較が大切です。

行政書士に依頼できる主な申請書類一覧

行政書士に依頼できる主な申請書類一覧

民泊申請では多くの書類が必要になりますが、行政書士に依頼すれば多くを代行してもらえます。

ここでは、制度ごとに必要な主な書類と、代行できるかどうかを簡単にまとめます。

  • 民泊新法(住宅宿泊事業):届出書、図面、誓約書 → ◯ 代行可
  • 特区民泊:認定申請書、住民説明資料、宿泊約款など → ◯ 代行可
  • 旅館業法(簡易宿所):営業許可申請書、構造設備概要、図面 → ◯ 代行可

一部の書類(住民票、登記証明書など)は依頼者が取得する必要がありますが、ほとんどの作業は行政書士が代行可能です。

民泊新法に必要な書類と代行可否

民泊新法(住宅宿泊事業)では、以下の書類が必要になります。

行政書士がほとんどを代行できます。

  • 住宅宿泊事業の届出書(◯)
  • 住宅の図面(◯)
  • 登記事項証明書(△:取得サポートあり)
  • 欠格事由に関する誓約書(◯)
  • 消防法令適合通知書(△:手続き支援のみ)

申請書や図面の整備は代行範囲に含まれますが、住民票や登記情報など一部は依頼者側の取得が必要です。

消防署とのやり取りは支援可能ですが、立ち会いは依頼者が行う場合もあります。

特区民泊に必要な書類と代行可否

特区民泊の認定申請は、自治体によって多少異なるものの、主に以下の書類が求められます。

  • 認定申請書(◯)
  • 宿泊約款・利用規約(◯)
  • 平面図・配置図などの図面(◯)
  • 苦情対応マニュアル(◯)
  • 近隣住民説明記録(◯:作成可、説明自体は依頼者が実施)
  • 消防法令適合通知書(△)

行政書士はほぼすべての書類を代行可能ですが、説明活動や現地調整などは一部依頼者の協力が必要です。

旅館業法に必要な書類と代行可否

旅館業法(簡易宿所)の営業許可を取得するには、以下のような多岐にわたる書類が求められます。

  • 営業許可申請書(◯)
  • 構造設備の概要(◯)
  • 平面図・立面図・配置図(◯:図面作成は別料金の場合あり)
  • 法人の場合:定款・登記事項証明書(△)
  • 営業権限証明書(◯)

行政書士は主要書類をカバーできますが、法人登記関係や建築士が必要な図面は別途対応になることがあります。

依頼者側で準備が必要な書類とは?

行政書士に代行を依頼しても、すべてを丸投げできるわけではありません。

以下の書類は依頼者が自ら準備・取得することが多いです。

  • 登記事項証明書(法務局)
  • 固定資産税課税明細書や契約書の写し
  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
  • 近隣住民説明の実施(※資料作成は代行可)

事前に依頼内容を明確にし、準備すべきものを把握しておくことで、手続きがスムーズに進みます。

申請代行の流れは6ステップで完了する

申請代行の流れは6ステップで完了する

行政書士に民泊申請を代行依頼した場合、以下の6つのステップで手続きが進みます。

全体の流れを把握することで、計画的に準備が進められます。

  1. ① 事前調査:物件の立地や用途地域、消防法令の要件をチェック
  2. ② 書類作成:必要な申請書類を一式準備、図面や誓約書なども含む
  3. ③ 住民説明:必要に応じて、近隣住民への説明や同意取得
  4. ④ 書類提出:管轄の保健所や自治体へ申請書を提出(行政書士が代理)
  5. ⑤ 行政の審査:書類の確認、現地調査、追加書類の提出対応など
  6. ⑥ 許可取得:営業許可や届出受理書の発行 → 民泊運営スタート!

それぞれのステップで詳しく解説していきます。

① 事前調査(立地・建築・消防要件の確認)

まず最初に行うのが事前調査です。

民泊営業が可能な立地かどうか、建物の構造や用途地域の確認、消防法の要件を満たしているかなどを調べます。

行政書士が物件の図面や住所をもとに判断し、必要に応じて現地調査を実施することもあります。

ここで営業可否を見誤ると全てが無駄になるため、非常に重要なステップです。

② 書類作成・消防署との調整

物件が民泊運営に適していることが確認できたら、必要な申請書類の作成に入ります。

平面図や位置図、申請書、誓約書、各種説明資料を整え、消防署への申請・事前相談なども同時進行で進めます。

消防関連の要件をクリアできないと営業許可は下りません。

行政書士が申請窓口との調整も代行してくれます

③ 周辺住民への説明・対応

特区民泊や一部の旅館業法申請では、近隣住民への説明が義務または努力義務とされている自治体があります。

行政書士は説明資料の作成や配布文書のテンプレート作成を支援してくれますが、実際の説明活動(挨拶回り・説明会など)は基本的に依頼者自身が対応する必要があります。

事前にスケジュールを組んでおくとスムーズです。

④ 書類提出(保健所・自治体)

すべての書類が整ったら、行政書士が代理で申請書を提出します。

提出先は、制度によって異なり、民泊新法であれば都道府県や市町村の窓口、旅館業法なら保健所が中心です。

複数機関への同時提出が必要なケースもあり、行政書士の経験が活きる場面です。

提出後の書類修正にも柔軟に対応してくれます。

⑤ 行政の審査(特区・旅館業は厳格)

提出後は、行政による内容の審査が行われます。

特区民泊や旅館業法では、設備・安全・苦情対応など多くのチェック項目があり、審査に1〜2か月かかることもあります。

行政書士が対応していれば、行政からの問い合わせや追加資料の対応も代行してくれるため、スムーズなやり取りが可能です。

⑥ 許可取得・営業開始へ

すべての審査を通過すると、無事に許可証や届出受理書が交付されます。これで民泊として営業を開始できます。

許可取得後も、行政書士は営業開始に必要な追加届出(管理業者登録や標識設置など)のアドバイスを行ってくれることもあります。

運営代行業者との連携やフォローアップも含めて、安心のスタートが切れます。

行政書士に依頼するメリット・デメリット

行政書士に依頼するメリット・デメリット

民泊申請を行政書士に代行依頼することで、手続きの負担を大幅に軽減できます。

一方で、費用が発生するため、すべての人にとって最適とは限りません。

ここでは、行政書士に依頼するメリット・デメリットを整理します。

メリット

最大のメリットは、複雑な書類作成や行政とのやり取りをすべて任せられる点です。

民泊申請は制度ごとに求められる書類やルールが異なり、慣れない人が自力で対応するのは非常に困難です。

行政書士に依頼すれば、物件調査から図面作成、消防署や自治体との連携までワンストップで対応してくれるため、時間と手間を大きく削減できます。

また、書類の不備による差し戻しリスクを減らし、スムーズな許可取得につながります。

デメリット

一方で、行政書士に依頼するデメリットは自分でやるよりも費用がかかる点です。

制度や物件によって異なりますが、代行費用は20万〜40万円が一般的で、さらに図面作成費や申請手数料が別途発生する場合もあります。

また、すべての行政書士が民泊に詳しいわけではないため、経験の少ない事務所に依頼すると、対応に不安が残ることも。

費用対効果や信頼性をしっかり見極めてから依頼することが大切です。

自力での申請は現実的?失敗しやすいポイント

自分で民泊の申請をすることも可能ですが、制度を正しく理解していないと書類の不備や手続きのミスで申請が通らないリスクがあります。

民泊新法、旅館業法、特区民泊など、それぞれでルールや必要書類が異なり、図面の作成や法的な条件の確認も必要です。

特に、消防法や建築基準法への対応には専門的な知識が求められ、役所とのやり取りにも手間と時間がかかります。

また、提出書類に不備があると申請が却下されたり、差し戻されたりすることも多く、結果として行政書士に頼み直すケースもあります

そのため、最初から専門家に依頼した方が、手続きがスムーズに進み、結果的に安く済むこともあるのです。

それでも自分で費用を抑えつつ申請したい方は「民泊申請を自分でやる方法とは?流れ・必要書類、代行に依頼するメリットまで解説」の記事をご覧になりながら進めていきましょう。

行政書士を選ぶときのチェックポイント

行政書士を選ぶときのチェックポイント

民泊申請の成功には、信頼できる行政書士選びが欠かせません。

以下のポイントを参考に、適切な専門家を見極めましょう。

  • 地域対応・実績の有無:その地域での民泊申請経験が豊富か?
  • 料金体系の明確さ:見積書に「一式」ではなく、内訳が明示されているか?
  • ワンストップ対応:図面作成や消防対応も任せられるか?
  • 無料相談の有無:複数の事務所を比較して、対応力や信頼性を確認

特に初めての方は「丁寧に説明してくれるか」「レスポンスが早いか」など、相性の良さも判断基準にすると良いでしょう。

実績・地域対応の有無

民泊申請を行政書士に依頼する際は、まずその事務所の「実績」と「対応エリア」を確認しましょう。

特に民泊は地域の条例や自治体ルールが細かく異なるため、その地域での申請経験が豊富な行政書士を選ぶことが重要です。

過去に何件の民泊案件を扱ったか、どの制度(民泊新法・特区・旅館業法)に対応してきたかを確認すると安心です。

料金体系が明確か

行政書士によって料金体系は異なりますが、良心的な事務所は見積もりを明確に提示してくれます。

「基本報酬+実費」「成功報酬型」「定額パッケージ型」などの形式がありますが、どこまでが基本料金に含まれ、どこからが追加費用なのか、事前に確認しておくことが重要です。

見積もりに「一式」と書かれているだけの場合は、必ず詳細を質問しましょう。

図面や消防対応までサポート可能か

図面作成や消防対応も、行政書士がまとめてサポートしてくれる場合があります。

民泊の申請では、図面の作成や消防設備の確認など、専門的な作業も必要になります。

行政書士の中には、建築士や消防設備士と連携して、これらの作業も一括で対応してくれる事務所があります

こうしたワンストップ対応があると、手間や時間の大幅な節約につながります。

ただし、図面作成が別料金になる場合や外部に外注されるケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。

無料相談や見積もり比較を活用しよう

行政書士への依頼が初めての方は、まず無料相談を活用するのがおすすめです。

多くの事務所では、オンラインや電話での無料相談を実施しており、物件の概要を伝えるだけで費用の概算や手続きの流れを教えてもらえます。

複数の行政書士事務所に相談して、サービス内容や対応の丁寧さを比較することで、自分に合った依頼先を選ぶことができます。

【まとめ】民泊申請は専門家に任せて最短で営業開始を

民泊を始めるには、多くの書類準備や行政とのやり取りが必要です。

制度ごとの要件や地域の条例など、専門的な知識も求められるため、申請をスムーズに進めるには行政書士への代行依頼が非常に有効です。

費用は20万〜40万円程度が目安ですが、その分だけ手続きの確実性とスピードが得られます

「最短で営業開始したい」「失敗したくない」と考えている方は、ぜひ信頼できる行政書士に相談してみましょう。